2023/02/05 12:15
オリジナルカットとは?
当店が研磨している宝石で、輝き、スタイル、パターンなど、今までにないモダンなカットを目指しています。
<宝石の色・輝きについて>
宝石の色や輝きは、上部から入射した光が、内部で反射を繰り返し、再度上部から射出することで、我々の目に「輝きや「色」として認識されています。
適切なクラウン、パビリオンの角度で研磨を行わないと、光が漏れ出し、彩度の低下や輝きの低下(これをウィンドウと呼びます)を招く要因となります。
つまり、色や輝きを最大限に活かすには、宝石種が個々に持つ「屈折率」に合わせた角度で研磨しなければなりません。
※適切にカットされたストーンと、ウィンドウストーンの比較写真。
左は適切な角度で研磨されており、光の流出はなくライトリターンがあるが、右は角度が浅いため光が抜け出し、「ウィンドウ」になっている。
当店では、長年の宝石鑑定経験を駆使して、上記の通り個々の宝石が持つ屈折率を正確に見極め、正しい角度で精密にカットし、色や輝きが最大限美しく得られるよう研磨しております。
もちろん、私が研磨を行なっていない、輸入した宝石についても、色や輝きが良いものを厳選しておりますが、
私が研磨をしている宝石については、既存のファセットデザインにはない輝きと、ユニークさを追求しています。
<使用研磨機について>
デジタルアングル採用の研磨機を使用しており、その精度は0.001°までの超精密な角度指定が可能です。
職人が直接原石を指で掴んで研磨する手擦り研磨や、従来の研磨機にはない、高度な精密さで研磨しています。
<カットの精密さについて>
※精密にファセッティングされた”カスタムローズカット”の写真。
放射状に配列させたファセットの頂点が、左右両方の写真ともきちんと揃っていることが分かる。
ひとことに宝石研磨と言っても、面を持たないカボション石の研磨とは違い、ファセット石の研磨は多くの面を刻みバランスを取る必要があるため、高い技術を要することになります。
ファセット配置の正確性など、あまり気に留めたことはないかもしれませんが、実際にルーペで拡大すると、カッターの腕の差は如実に現れます。
当店では、バンコクのカッティング工場での実務経験を活かし、極力ファセットとファセットのポイント(これをミートポイントと呼びます)を合わせ、
拡大してもファセットのバランスが取れるように研磨しております。
カラードストーンはダイヤモンドのようにカットなどの等級はないため、そこまで手間と技術を掛ける工場やお店は少ないと思いますが、
当店ではハイブランドでも通用するような、美しさを追求したカットを目指しています。
<人の技術と、精密性の融合>
※実際の研磨作業の様子。こちらは最終ポリッシュを撮影したもの。
高速で回転させた研磨盤にストーンを少しずつ当て、表面の状態を確認しながら研磨していく。
カラードストーンの研磨機は、精密なものだと機械が自動で制御するマシンは今のところ存在しません。
当店では、熟練したカッティング技術と、研磨機の精密なオペレーションにより美しいジェムストーンを生み出します。
<研磨剤へのこだわり>
使用する研磨剤(ダイヤモンドパウダー)は宝石種により適宜変更しており、
600、1,200、3,000、60,000、そして100,000と目の粗い方から研磨を行い、美しく仕上がるよう、フルポリッシュしています。
また、同じ粗さであっても研磨剤のメーカーにより、研磨している宝石に適さず、傷が残ったり研磨面が荒くなることがあるため、
複数の研磨剤を常備し、その宝石に合った研磨剤で研磨しています。
<ラップ(研磨盤)について>
研磨する石種により、研磨盤の種類を変えるのは大変重要です。
柔らかい石だったら銅、硬い石なら亜鉛、クォーツやベリル、長石ならセリウムの研磨盤など、宝石種により最適な素材が異なります。
当方では、宝石種に適した研磨盤を適宜使い分け、時間を掛けながら美しいジェムストーンを生み出しています。
「スターローズカット」や「ブリリアントローズカット」など、当店で使用しているカット名称は、あくまで当店独自のオリジナルカットシリーズ名であり、鑑別機関における正式なカット名ではありません。
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