・鉱物名: 天然コランダム
・宝石名: サファイア(パパラチア)
・屈折率:1.770-1.762
・硬度: 9
・カット:オーバル
・色: オレンジピンク
・カラット:0.425ct
・サイズ: 4.96×4.17×1.96mm
・品質: パビリオン部に微細なキャビティ
・処理の有無: 通常加熱
・主な産地:スリランカ
・入手先：バンコク

今回ご紹介するのは、柔らかな輝きを持つ「パパラチァサファイア」。こちらの個体は、1月のバンコク出張で入手しました。

頻繁に発生するバンコクへの出張ですが、12月には行くことができず、およそ2カ月ぶりの訪問でした。この旅の目的は、ジュエリーショーでお披露目するためのレアストーンの入手。新規の取引先開拓も目的の一つです。

JTC近くにある、よく伺うローカルなビル内を何の気なしに歩いていると、インド人風の業者がきさくに声をかけてくれました。彼はパパラチァの在庫を多く抱えているそうなので、伺うことに。

案内されたのは事務所というよりも、高級なレジデンスの一室。「おかしい」と思いましたが、スパークリングワインを出された瞬間に、ふっかけられるのを確信。適当な言い訳で逃げようとした直後、丁寧にケースに並べられた美しいパパラチァたちを見せてきました。

どうせ高いんだろう……。恐る恐る価格を聞いてみましたが、不思議なことにこの品質にしては高くない。いやむしろ安いのではないかというのが本音でした。夕日が映える一室で、大満足で商談を終えることができたのです。

ファンシーカラーサファイアの説明は割愛しますが、パパラチァはオレンジとピンクの中間の色合い。厳格な基準に担保された輝きは、「幻の宝石」の名を冠するにふさわしいものでしょう。

さて、今回のパパラチァ、形の整ったオーバルから放たれるオレンジピンクのきらめきは、「Padparadscha」の名の通りの蓮の花、まばゆい夕日を想起させます。ファセットの艶めきが濡れたように光るさまを見ていると、時を忘れてしまいそうになることでしょう。
美しさもさることながら、0.4ctと大粒。「幻の宝石」の名に恥じない存在感があります。

甘やかな色味を持つパパラチァサファイア。

ぜひコレクションへ加えてみてはいかがでしょうか。

【付属品】
・ソーティング
・ルースケース