2019/12/11 16:26

カラードストーンの買い付け記録からいきなりダイヤモンドの記事とは唐突ですが・・・。
昨今、トレーサビリティ(産地証明)ダイヤモンドの展開など、ブライダル各社は様々な企画で鎬を削っております。ブライダルには欠かせないのが、そう、「ダイヤモンド」ですよね。
ダイヤモンドは「輝きを楽しむ」宝石。輝きに不可欠なのは「研磨」です。
ここで改めてダイヤモンドの研磨工程についておさらいしようと思います。

1:プランニング・・・・・・・・ダイヤモンド原石のどこを切断するのか判断
プランニング次第で研磨後の価格に大きな差が生じるため、非常に重要な作業となります。
ダイヤモンドの研磨工程に於いて、一番重要と言っても過言ではありません。ちなみに各工程の中で、一番お給料が高いです。
現在は専用のソフトウェア上で最適な切断面をシミュレートすることも。最終的にどこを切断するか決定したらその箇所に直接インクでマーキングします。
八面体の「ソーヤブル」からは、一般に大小二つのルースが取れる、と言われていますが実際には違います。大きい原石だと4ピースくらい。
2:ソーイング・・・・・・・・ダイヤモンド原石を二つに切断する
レーザーを利用し原石を焼いて蒸発させ、原石を切断します。刃では切ることが出来ない原石でもレーザーなら正確に切断することが可能です。ダイヤモンドの元素は「炭素」ですので、約800℃で「二酸化炭素」へ気化します。
以前は開店するノコ刃を用いて切断していましたが、その方法だと重量の損失があまりに大きい為、現在のレーザーによる切断が確立されました。ダイヤモンドに限らず宝石は、重量=価格ですから。
大昔は「クリービング」という、原石を割る方法を取っていたことも。
3:ブルーティング・・・・・・・・ダイヤモンドの基本的な輪郭を形成
回転するブルーティングマシンに原石を押し当て、ガードルの輪郭を形作ります。
ご存知の通り、ダイヤモンドの硬度は「10」。ダイヤモンド以上に硬い物質は存在いたしません。ダイヤモンドはダイヤモンドでしか削れないため、この装置の研磨盤にはダイヤモンドの「パウダー」が塗布されています。
この工程で、徐々に原石が丸みを帯び、宝石らしい輪郭へ近づいていきます。
4:ブロッキング・・・・・・・・ダイヤモンドに最初の17または18のファセットを施す
「スカイフ」と呼ばれる高速で回転する水平な研磨盤に、ホルダーで固定されたダイヤモンドを押し当て研磨を行います。
テーブルファセット、クラウン側に8つのファセット、パビリオン側に8つのファセット、そして場合によりキューレットを作り出します。
「キューレット」とは、パビリオンの尖った部分を指します。このキューレットですが、以前はカケを防ぐ目的でファセットを施していましたが、ファセットを施すと理論上光が下部から漏れ出てしまうので、現在は研磨しないのが通常です。

5:ブリリアンティアリング・・・・・・・・最終的な研磨工程
基本的な研磨作業は上記ブロッキングとほぼ同様で、クラウン側に24のファセット、パビリオン側に16のファセットを作り出す作業です。
この工程を経て、ラウンドブリリアントカットの研磨工程は終了となります。
この作業でダイヤモンド4Cの4つ目の「C」である「カットグレード」が決定されますので、こちらも非常に重要な工程となります。
私も実際に研磨しましたが・・・。一朝一夕で身につくものではありません。
キューレットの有無により、ダイヤモンドのファセット数は58面又は57面ですが、現在は研磨しないのが主流ですので「57面」と覚えていただいて差し支えないと思います。
以上、ダイヤモンドの研磨工程をご説明いたしました。
プロポーズをご検討中の方、若しくはエンゲージメントリングをご検討中のカップル様、是非ご参考にされてくださいね!
実際にダイヤモンドをお選びになる際、思い出していただくと面白いかもしれません。
それでは、また。